数理科学 2021年11月号

数理科学 2021年11月号 No.701

統計物理が拓く数理科学の世界

乱雑の極限における普遍性の発見
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2021年11月

JAN:4910054691115

在庫:在庫あり

内容詳細

“普遍性”を追求する学問である物理学において,統計物理学は乱雑の極限に存在する普遍性を見出す研究分野といえます.近年,統計物理の研究対象は情報や経済現象・社会現象,人間関係にまで拡がり,そのような複雑な系に現れる普遍性に対しても威力を発揮しています.本特集では,統計物理学がどのような形で普遍性にアプローチしてきたか,そして現在どのような形で新しい普遍性の発見を目指しているかを,その多様性に着目しながら概観し,統計物理学が持つ,普遍性を明らかにする力の源に迫ります.

表紙CGコメント

今回の表紙ではストレンジアトラクタを描画しています.これは正弦関数からつくった 2 変数関数を再帰的に計算することで得られるもので,de Jong アトラクターとも呼ばれています.ここでは計算する際にパラメータ値にゆらぎを持たせ,さらに画像処理効果を加えながら点をプロットしています.(巴山竜来)

目次

特集

  • 巻頭言
    ~ 物理学の普遍性と統計物理学の普遍性 ~
    羽田野直道
  • 統計物理学の普遍性
    川島直輝
  • ランダム系に現れる秩序と相転移
    ~ レプリカ法による普遍性の見え方と見方 ~
    福島孝治
  • 非平衡系における協同現象
    ~ 非平衡統計力学の挑戦 ~
    佐々真一
  • 低次元ソフトマターの普遍性
    好村滋行
  • 粉体流の統計力学
    ~ 流れの非平衡相転移と異常緩和現象 ~
    早川尚男
  • アクティブマターの物理学
    ~ 特異な集団運動の発生機構を理解する ~
    山本量一
  • 普遍生物学
    ~ 生きていることの物理的状態論 ~
    金子邦彦
  • 社会・経済現象に見られる普遍性と統計物理
    高安美佐子
  • 情報の統計力学
    ~ 「ランダム系」の視点からシャノンの定理を再考する ~
    樺島祥介

書評

  • ニュートリノの物理学
    ~ 素粒子像の変革に向けて ~
    安田 修

連載

  • 深層学習の統計神経力学 3
    ~ 再帰結合のランダム回路と統計神経力学の基礎 ~
    甘利俊一

サポート情報

関連雑誌

ポテンシャルを探る

1,049円(税込)

スピンと物理

1,049円(税込)