数理科学 2026年9月号

数理科学 2026年9月号 No.759

リー群とリー代数

行列から拡がる数理の世界
予価:
954

発行月:2026年9月

JAN:4912054690969

内容詳細

リー群・リー代数(リー理論)およびその表現論は,空間の連続的な対称性を記述する理論として,数理科学の広範な分野にわたって重要な役割を果たしており,現代数学の基礎をなす主要なテーマの一つです.本特集ではリー理論にまつわる定義や定理の入門的な解説から,その周辺理論の豊かな数理,さらには他分野との関わりや現代的拡がりを解説していきます.

どこまでも拡がるリー群とリー代数(井ノ口順一)/リー群への入門 ― 群論の初歩から古典群の例など(落合啓之)/Lie代数概観 ― 代数系としてのLie代数(岡田聡一)/Lie群のユニタリ表現 ― 2変数関数への作用(田中雄一郎)/リー環の表現の愉しみ(西山 享)/リー群・リー代数のパラレル・ワールド(澁川陽一)/シューベルト・カルキュラスとリー理論(池田 岳)/リー群・リー代数と微分幾何 ― リーマン対称空間をめぐって(井ノ口 順一)/リー群・リー代数と物理学 ― ハバード模型を題材に(桂 法称)/ カッツ-ムーディ・リー環へ(山田裕史)

表紙CGコメント

 アポロニウスの球充填は,1 つの球に内接する,4 つの互いに外接する球を土台とし,その隙間に反転変換で新たな球を配置し続けることで生成されるフラクタル図形です.反転変換は球を球へと写すので,反転前に接している球同士は反転後も接している性質があります.

 今回の表紙では,3 次元空間の球を 5 次元のパラメータ空間上の点として扱うことで,反転操作を線型写像として計算しています.この 5 次元のパラメータは,3 つが半径で割った中心座標を表します.残りの 2 つは,その差をとることで半径の逆数が,和をとることで原点に対する方べきを半径で割った値がそれぞれ導出されるような値で構成されています.

 この手法により,パラメータ空間上で線型写像を反復して新たな点を計算し,それらの点から 3 次元の球を生成することで,球の隙間を再帰的に充填していく構造を描き出しています.(岸上アレキサンダー海斗・巴山竜来)

目次

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