数理流体力学への招待

SGCライブラリ  156

数理流体力学への招待

ミレニアム懸賞問題から乱流へ
定価:
2,310
(本体:2,100円+税)
難易度:中級

発行日:2020年1月25日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-1468-8

サイズ:並製B5

ページ数:128ページ

在庫:在庫あり

内容詳細

Clay財団が2000年に挙げた7つの数学の未解決問題の1つに「3次元Navier-Stokes方程式の滑らかな解は時間大域的に存在するのか,または解の爆発が起こるのか」がある.この問題は2019年現在も最終的な解決には至っていない.本書では,非圧縮Navier-Stokes方程式,及び非圧縮Euler方程式の数学解析について解説する.

目次

第1章 Fourier級数の基礎事項
  1.1 Fourier級数の基礎事項およびスケール概念
  1.2 熱方程式のFourier級数展開

第2章 Navier-Stokes方程式の解の存在定理:ミレニアム懸賞問題
  2.1 Fourier級数展開されたNavier-Stokes方程式
  2.2 時間局所解の存在定理
  2.3 小さい初期値に対する時間大域解
  2.4 2次元:小さくない初期値に対する大域解

第3章 Sobolev空間の基礎事項
  3.1 Lebesgue積分に関する簡単な復習
  3.2 Sobolev空間
  3.3 Littlewood-Paley分解
  3.4 Sobolev空間の完備性およびSobolevの埋め込み定理

第4章 Euler方程式の時間局所解の存在定理
  4.1 Euler方程式の時間局所解の存在定理
  4.2 Sobolevノルムにおける関数の積の評価
  4.3 Euler方程式のSobolevノルムによるエネルギー型不等式
  4.4 Commutator estimate 
  4.5 Euler方程式の局所解の存在証明の続き
  4.6 弱連続性・弱収束など

第5章 2次元Euler方程式の時間大域解の存在と非適切性
  5.1 2次元Euler方程式の解の振る舞いを調べるための準備
  5.2 subcriticalなSobolev空間における2次元Euler方程式の時間大域解
  5.3 criticalなSobolev空間における2次元Euler方程式の非適切性
  5.4 特異積分作用素のL-非有界性
  5.5 大スケールと小スケールの渦の相互作用から導かれるノルム・インフレーション
  5.6 Lagrangian deformationの評価,およびノルム・インフレーションを引き起こす項の評価

第6章 乱流のenergy transferについて
  6.1 乱流とは
  6.2 Reynolds応力の近似,およびenergy fluxの計算

第7章 Goto-Saito-Kawahara(2017)のNavier-Stokes乱流
  7.1 Navier-Stokes乱流の素過程

第8章 演習問題の解答

あとがき
参考文献
索引

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