数理科学 2022年12月号

数理科学 2022年12月号 No.714

量子多体系の物理と数理

創発現象の難しさと面白さ
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2022年12月

JAN:4910054691221

在庫:在庫あり

内容詳細

量子論で記述されるミクロな粒子が多数集まった系は量子多体系と呼ばれ,様々な系で同じような振舞いが現れる普遍性や,単体のときとは異なる特殊な振舞いを見せる創発性などの興味深い性質を示し,今日の様々な物理学研究と関連しています.本特集では,量子多体系の物理ではどういった数理的研究がなされているのか,普遍性や創発性にも着目しながら,代表的な現象や冷却原子,量子情報,機械学習といった近年盛んに進められている量子多体系と関連の深い研究についても取り上げ,その進展や展望について迫ります.

表紙CGコメント

今回の表紙では球面上にランダムに点を散布し,それらを 3 次元ノイズ関数で動かした軌道の曲線を 3D グラフィックスで描画しています.(巴山竜来)

目次

特集

  • 巻頭言
    ~ 量子多体系の難しさと面白さ ~
    川上則雄
  • 量子多体系の物理と数理
    ~ クラッシュコース・ガイダンス ~
    藤本 聡
  • 非平衡近藤系の低エネルギー量子輸送と三体相関
    小栗 章
  • 共形ブートストラップの進展
    ~ 臨界超流動ヘリウム4を解く ~
    中山 優
  • 強相関現象と動的平均場理論
    ~ モット転移,磁性,超伝導,準結晶 ~
    古賀昌久
  • 原子核の観点から見る量子多体系
    ~ 有限系における量子現象 ~
    中務 孝
  • 冷却原子と量子多体系
    ~ 孤立系から開放系へ ~
    中川大也
  • 量子多体系と量子情報,量子もつれ
    ~ エンタングルメント・エントロピー ~
    松枝宏明
  • 量子多体系とテンソルネットワーク
    大久保 毅
  • 機械学習と量子多体系の物理
    野村悠祐

書評

  • 調和解析への招待
    ~ 関数の性質を深く理解するために ~
    筒井容平
  • 演習形式で学ぶ特殊相対性理論
    渡部隆史

連載

  • 計算機科学の数学 2
    ~ ラムダ計算(2) ~
    龍田 真

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