数理科学 2024年7月号

2006年度 日本数学会出版賞受賞
科学の最前線を紹介する月刊誌

自然科学と社会科学はいまどこまで研究されているか,つねに科学の最前線を明らかにし,大学・企業で注目を浴びている雑誌です.
毎月20日発売 B5判 約80ページ 定価(本体:954円+税)

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数理科学 2024年7月号 No.733

数理に現れる双対性

双対的思考法によるアプローチ
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2024年7月

JAN:4910054690743

在庫:在庫あり

内容詳細

数理諸分野に現れる《双対》の概念は,異なる概念相互の関係性を統一的に捉えることができたりと,数理科学の重要なキーワードとして多くの場面で活躍しています.しかしながら双対の考え方は初学者には難しく,いざ遭遇してもその意義や嬉しさが今ひとつピンとこないかもしれません.本特集では,初学者の目線に立って,双対のアイデアがどのような場面でどのように威力を発揮するのか,そのメカニズムから普遍性,多面性,種々の性質に着目し,双対概念が映し出す数理の諸相を紹介していきます.

表紙CGコメント

4 次元空間内の 3 次元球面上にトーラスの族をつくることができます.これに 4 次元回転を施すことにより,3 次元球面内で変換されます.今回の表紙では,この変換をさらにステレオ射影によって 3 次元空間に射影して 3 次元曲面を作成し,レンダリングしました.(巴山竜来)

目次

特集

  • 双対性の歩き方
    加藤晃史
  • 線形代数から入門する双対性
    ~ T双対と⊥双対 ~
    小林正典
  • ガロア理論における双対性
    三枝洋一
  • トポロジーにおける双対定理
    ~ Poincare双対性をめぐって ~
    逆井卓也
  • 群と表現における双対性
    梅田 亨
  • 圏論における双対性
    丸山善宏
  • 量子力学における双対関係
    加藤光裕
  • 電磁気学における双対性とその展開
    風間洋一
  • 統計力学における双対性
    鈴木淳史
  • 素粒子論における双対性
    ~ 場の量子論と弦理論からの例 ~
    米谷民明

書評

  • 電磁気学探求ノート
    ~ “重箱の隅”を掘り下げて見えてくる本質 ~
    丸吉一暢

連載

  • 量子集合論入門 7
    ~ 竹内の量子集合論 ~
    小澤正直

サポート情報

次号の予告

書影
数理科学 2024年8月号 No.734

不動点の世界

動かぬ点がもたらす多彩な数理の描像
不動点にまつわる問題は古くから考えられており,特に位相幾何学におけるブラウワーの不動点定理をはじめとして,数理諸分野に数多く存在する不動点定理は多様なトピックに応用・一般化されている大変魅力溢れるテーマです.本特集では,初学者の目線に立って,不動点が提供する数理の多彩な描像,不動点定理の豊かなバリエーションからそのエッセンスに迫り,種々の数理現象の不動点を捉えるアイデアが広範な理論と交叉する様子を取り上げていきます.

<特集構成>
動かぬ点の拡がりを追う/乱流現象を捉える不動点たち/微分方程式・数値解析に現れる不動点定理とその展開/力学系における不動点/マルコフ連鎖と定常分布/トポロジーにおける不動点 ― 離散的な点に集約される「形」の情報/数論と不動点 ― ヴェイユ予想とレフシェッツの不動点公式/くりこみ群/微積分から学ぶ深層ニューラルネットワークの各点収束構造/ゲーム理論における不動点定理

関連雑誌

不動点の世界

1,049円(税込)

曲線と曲面を考える

1,049円(税込)