数理科学 2025年4月号

2006年度 日本数学会出版賞受賞
科学の最前線を紹介する月刊誌

自然科学と社会科学はいまどこまで研究されているか,つねに科学の最前線を明らかにし,大学・企業で注目を浴びている雑誌です.
毎月20日発売 B5判 約80ページ 定価(本体:954円+税)

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数理科学 2025年4月号 No.742

《多様体》の探求

キーワードから“幾何学的直観”を掴む
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2025年4月

JAN:4910054690453

在庫:在庫あり

内容詳細

数理科学における種々の理論を展開する上での基本舞台となる《多様体》は,それ自身も幾何学的対象として大変に興味深いトピックスに溢れており,昨今の数学・理論物理学を学ぶ上では必須の概念となっています.本特集では,多様体論の背後に潜む「幾何学的直観」を掴む手助けとなるよう,初学者向けに種々のキーワードから多様体の世界を探っていきます.

表紙CGコメント

今回の表紙では 4 次元ジャイロイドをモデリングしています.立体射影によって 3 次元球体を 4 次元球面に写し,そこからメビウス変換を施した上で 4 次元ジャイロイドとの共通部分をとっています.(巴山竜来)

目次

特集

  • 巻頭言
    植田一石
  • 多様体とはどのようなものか
    野原雄一
  • リーマン多様体
    高津飛鳥
  • 3次元多様体
    北山貴裕
  • 4次元多様体
    ~ 同境群の観点から ~
    谷口正樹
  • 埋め込みとはめ込み
    田中 心
  • 多様体のファイブレーション
    門田直之
  • 代数多様体
    佐野太郎
  • トロピカル多様体
    山本悠登

書評

  • 組合せ最適化への招待
    ~ モデルとアルゴリズム ~
    神山直之

連載

  • Lappo-Danilevskyを読む 6
    ~ 指数行列(続き)/行列関数の理論 ~
    原岡喜重

サポート情報

次号の予告

書影
数理科学 2025年5月号 No.743

情報と物理学

エントロピーがつなぐ数理の世界
近年「情報」と物理学との関係に注目が集まっています.熱・統計力学と情報理論との関連から情報熱力学や情報統計力学という研究分野が発展し,また,量子力学の概念を取り入れた量子情報理論は,現代物理学の発展に大きく寄与しています.このような物理学と情報の橋渡しとしての役割を“エントロピー”という概念が担っています.本特集では,この“エントロピー”をキーワードに,物理学と情報がどのように関連しているのか,近年注目されているテーマを中心に迫っていきます.

<特集構成>
ミクロとマクロをつなぐエントロピー(宮寺隆之)/情報理論とエントロピー ― 符号化による“情報”の特徴付け(小川朋宏)/マクスウェルの悪魔 ― 情報と熱力学との結びつき(布能謙)/ブラックホールとエントロピー ― 熱力学・情報・ホログラフィー(石橋明浩)/量子情報理論の基礎と発展 ― エントロピーに関わる概念を中心に(林正人)/量子統計力学と量子エントロピー ― 無限系の観点から(守屋創)/テンソルネットワークと情報圧縮 ― 量子多体系の粗視化,エンタングルメントエントロピー(加堂大輔)/ぽさを計る(小暮兼三)/生命と情報とエントロピー(上村淳)

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